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被せ物の種類によるメリット・デメリット

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被せ物の種類

歯全体を削って被せる治療である「クラウン」は材質や作り方に色々な種類があります。

メリットとデメリットをしっかりと把握してご自身に適した治療を選ぶことをお勧めいたします。

ここでは当院で行なっている主な材料をご紹介いたします。

 

保険適用の被せ物

金銀パラジウム合金

いわゆる“銀歯”です。

国民皆保険制度が1961年に施行されてから、変わらずに使用されている素材です。

名前の通り色々な金属が合わさっている合金でできています。

[メリット]

  • 保険適用なので費用を抑えながらも日常生活の最低限の機能が果たせる

[デメリット]

  • 金属が腐食や劣化することで隙間ができ、二次的な虫歯になる可能性が高くなる
  • 金属アレルギーの心配がある
  • 見た目が銀で目立つ
  • プラークが付きやすい 等

 

日本では当たり前のように使用されている被せ物ですが、日本以外の先進国ではほとんど使用されることがない物です。

 

CAD/CAM(キャドキャム)冠

 

2014年より保険適用されたプラスチックに陶器を混ぜた素材をコンピューターで制御された機械で削り出し製作する被せ物です。

[メリット]

  • 保険適用で費用を抑えることができる
  • 白い
  • 金属アレルギーの心配はない

[デメリット]

  • 金属に比べ強度に劣る(割れやすい)
  • 色の種類が少ない、年数が経つと変色してくる
  • プラークが付きやすい 等

 

CAD/CAM冠は歯やお口の中の状態により保険適用できる範囲が異なります。

また土台となる歯を多く削る必要があるため、きれいな歯質が多く残っている場合はもったいない可能性があります。

 

 

自由診療の被せ物

セラミッククラウン(テーブルトップベニア)

 

※写真は歯の上半分だけがセラミックのテーブルトップベニア

 

いわゆる“陶器”の素材を使用した被せ物のことを指します。

[メリット]

  • 天然の歯に近いように透明感を出したり、周囲の歯と色調を合わせることができる
  • プラークがつきにくい
  • しっかりとした接着をする、歯の質が多く残っているなどの条件が合えば強度を持たせることができ、歯を削る量を少なくできる
  • 変色・変質しない

[デメリット]

  • 強い衝撃で割れたり欠けたりする可能性がある
  • 歯を削る量を少なくした場合、仮歯が取れる割れるなどが起こりやすい

 

歯にとって非常にメリットが多い被せ物です。

適切な治療が行われば長期間、歯を守ることにつながります。

 

 

ジルコニアクラウン

 

セラミックの1種ですが、人工のダイヤモンドと言われるほど強度がある素材です。

[メリット]

  • 強度がある
  • 白い
  • プラークがつきにくい
  • 変色・変質しない

[デメリット]

  • 透明感がないので、前歯1本だけの治療には不向き
  • 治療の仕上げが悪いと、噛み合わせの歯が削れる可能性がある
  • 再治療の場合、除去が大変になることがある
  • 歯を多く削る必要がある

比較的新しい素材になります。

素材自体の強度がとてもあるので、すでに歯の質を多く削っている場合に向いています。

 

 

最近の傾向

歯のコンディションや噛み合わせの状態などによって、向き不向きの素材や治療方法があります。

当院ではこの数年はセラミックによる「テーブルトップベニア」の治療をお勧めするケースが増えてきました。

こちらの記事でご紹介したように、中途半端な詰め物があることで神経を抜く、または抜歯になることが多くなってきているように感じます。

 

残っている歯質が薄く、ヒビが入り神経まで感染してしまった例

 

原因は様々ですが、部分的な治療を行っていて、さらにそこに歯ぎしり食いしばりなどの過度な力がかかったことによることが予測されることが多くあります。

 

 

そのため、中途半端に部分的な詰め物をするのではなく、ヘルメットのようにしっかりと被せてあげることで力によるトラブルを減らすことができるようになります。

 

しかしクラウンでは歯を削る部分が多く治療をためらうことがありましたが、その中間にあるテーブルトップベニアでは「削って被せて守る」部分と「ほとんど削らずに歯を残す」部分の両立をすることができるようになりました。

 

 

左写真:テーブルトップベニア  右写真:クラウン 削り込んでいる部分が大きい

 

テーブルテップベニアのデメリットは歯科医師、歯科技工士の高度な技術が必要になってくること、治療時間が長くなること、仮歯が割れやすいことですが、その分長期歯を守ることができると考えるとメリットが多くある治療方法と言えます。

 

部分的な詰め物をテーブルトップベニアで修復し直した例

矢印の部分は長年の歯ぎしりですり減った部分を、元の形態に近い形で復元もできています。

 

 

 

 

被せ物の選び方

同じ方でも歯のコンディションや噛み合わせによって、適切な被せ物が異なります。

しっかりと診査、診断を受け、説明を聞かれた上でご自身に合った被せ物を選ばれてください。

 

保険の被せ物はデメリットが多く、当院では自由診療の被せ物をお勧めしています。

美味しく食事を長年とっていただくために精度の高いしっかりとした被せ物はメリットが多くあるので、ぜひ気になっている方は一度診断を受けられることをお勧めいたします。

 

既存の銀歯をテーブルトップベニアで修復した例

※テーブルトップベニア 1本 ¥150,000(税抜)

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